フェラーリといえば鮮やかな赤色を思い浮かべるのではないでしょうか。
それほど、フェラーリといえば赤なのです。
しかし、フェラーリのコーポレートカラーは赤じゃなかったりします。
どうして、「フェラーリ=赤」というイメージが定着したのでしょうか。
フェラーリのコーポレートカラーは黄色
実はフェラーリのコーポレートカラーは黄色(ジャッロ・モーデナ)なのです。
それは会社の本拠地であるモデナの公式色からきています。エンブレムを見るとわかる通り、跳馬の背景がコーポレートカラーの黄色というわけです。
フェラーリが赤色のイメージが定着した背景には、イタリアのナショナルカラーが赤色であることが影響しています。
かつてのレース活動では、国別対抗の要素があり、各参加国にナショナルカラーが割り当てられていました。
イタリアは赤色がナショナルカラーとされていたため、フェラーリは当時からレーシングスポーツや市販車にも赤色を使うようになったのです。
こうした経緯から、フェラーリ=赤のイメージが広く知られるようになりました。
他国のナショナルカラー
ナショナルカラーとはそもそも、その国を体現すると見なされている色のことです。
基本的にその国の国旗か国章を元にナショナルカラーがイメージされます。
フランスは青、ドイツは銀、イギリスは緑、日本は白地に赤丸(日の丸)となっています。
ちなみに当初、日本は金色を希望していたそうですが、南アフリカがすでに登録していたため、白地に赤丸となりました。
ナショナルカラーの伝統を守る
昔のF1はルールでナショナルカラー塗装となっていましたが、当時、ロータスがチーム名称を「ゴールドリーフ・ロータス」に改称し、ナショナルカラーもやめてしまいます。
赤/金/白のタバコパッケージにそっくりなカラーリングのマシンを登場させ、スポンサーから多額の資金を引き出すことに成功しました。
この手法は他のチームにも追従され、マールボロなどのタバコメーカーがモータースポーツを支える時代が到来することに。
そんな中でも、タバコ広告を拒否したフェラーリ。律儀にもナショナルカラーの伝統を守り、スポンサーロゴも最小限にしていました。
創業者であるエンツォ・フェラーリは「フェラーリはタバコを吸わない」という名言を残しています。
しかし、そのフェラーリも現代では、タバコメーカーであるフィリップ・モリスと契約を継続しているのは興味深い話です。